日常の芒

なんてことない日々に、少しの刺激を

佐渡紀行 その3

その1その2からの続きになります。

 

 

せっかくのこの晴天、宿を出て海の方へ向かう。

「夕食の前に夕陽を見に行っていきます」と宿の方に伝えると、「長手岬がおすすめですよ」と教えていただいた。

 

 

「長手岬」は宿から2~3分なので、すぐに到着した。

短めの灯台岩礁が良い景色だ。

普段の車旅であればここに腰を据えて日の入りを眺めたであろう。

ただ今回はバイク旅である。

折角教えてくれた宿の方には申し訳ないが、道中(お、ここは…)と思った場所に急いで移動する。

 

 

長手岬から北に少し行ったところ、「夫婦岩」の海岸。

ここの海岸は岩礁で波が抑えられ、水面は鏡のように空を映し出していた。

 

 

グローブとバッグを外し、アスファルトの縁に腰掛ける。

普段は人目を気にする私だが、この日は日曜日の夕方なのもあって周りには誰もいなく、お行儀悪く地面に胡座をかく。

 

 

近いようで遠い、初めての佐渡の地でバイクと一緒に美しい空を眺めた。

聞こえてくるのは遠くから静かに聞こえる波の音だけだった。

いつまでもこの時間が続いて欲しい。

しかし陽は一刻一刻と落ちていく。

そんな刹那的な夕景がたまらなく好きで。

 

 

空が朱く染まるにつれ、名前の通り夫婦のように寄り添う岩のシルエットも濃くなっていく。

何度も言うが、今回の旅でこんな良い天気に巡り合うとは思っていなかったのもあり、なんとも言えない感動が込み上げてくる。

いつまでも眺めていたかったが、夕食があるので宿に戻るとしよう。

 

 

宿に戻って夕食の時間。

初日の宿の量のインパクトが強すぎたが、丁寧で美味しい食事。

 

 

宿の目の前にそば畑があったのでもしかすると…と思っていたが、やはり出てきた。

香りの良い美味しいお蕎麦だった。

 

 

真野鶴酒造のお酒を頼み、食事を進めていく。

「旅立ちのとき」という名前に色々思うところがあり、なんだかグッと来た。

 

 

旅を始めたばかりの頃、旅館に泊まっては夕食の時間に、出されたものからすぐに食べてしまい…最後に出てくるご飯をお新香と味噌汁だけで食べてたなあなんてクスリと思い出す。

今はすっかり慣れたものだ。

ハチメの煮付けに目をつけ取っておき、ハチメ定食で締めよう。

 

 

佐渡は海鮮のイメージが強烈で忘れかけていたが、ここも新潟県

お米もお酒ももちろんすごく美味しい。

この日の私以外の宿泊者は建設関係で仕事で泊まっている2名一組だけだったようで、現地の仕事の情報に耳を傾けながら食事するのが少し楽しかった。

 

 

2日目も夜は即落ちし、朝4時前に起床。

明るくなり始めた空を見ると天気はあまり良くなさそうだが、折角なので朝陽が見れそうな場所まで朝ツーといこう。

 

ちなみに今回泊まった宿は七浦にある「七浦荘」。

初日のお宿と比べてしまうと少し割高だが料理も美味しく、民宿というよりは綺麗な大きい民家にお邪魔しているような感覚で、そして立地も静かなところですごく良かった。

また佐渡に来る際には部屋が空いていたら是非この宿にお世話になりたい。

 

 

沢根町のあたりまで出てみると、日の出は見れなかったが雲の加減で真っ赤な朝焼けを見ることができた。

 

 

宿に戻ると、そば畑から見る東の空が美しい。

私の地元もそばの名所で見慣れているものの、世間一般的にそばの花はあまりメジャーではないのかもしれないが…白く小さく可憐な好きな花。

 

 

宿に戻り朝食。

夜は暗くて見えなかったが、海の見える景色のいい食事会場でゆっくりいただく。

 

 

朝も丁寧な朝食。

青い小鉢にはいった自家製のおかず味噌がたまらなかった。

 

 

夕食も朝食もごはんとお味噌汁はセルフサービス。

朝夕ともにお味噌汁の手が込んでいてすごく美味しかった。

セルフスタイルは(人の目がないと特に)つい食べすぎてしまう笑

 

 

宿を出て、3日目の旅が始まる。

と言っても帰りの小木港に向かいながら寄れなかった所を見ていく感じ。

スーパーのお土産売り場でへんじんもっこの「たまとろサラミ」を購入。

すごく気になっていた商品だが、インターネットで佐渡の商品を買おうとするとフェリー輸送料も増されて高価なのでこの機会に。

 

 

長浜荘の少し南にある「しまふうみ」という景色のいいカフェに来てみた。

 

 

パウンドケーキとアイスコーヒーを注文する。

犬のぬいぐるみを渡され、席において待っていてくださいというシステムが良かった。

いい年の人間が1人でぬいぐるみを持ってウロウロするのは客観的に見てなんだか面白くもあり。

 

 

帰りは行きと違う場所から1人…東側に出てまずはフェリー乗り場の場所を確認する。

 

 

小木港は隣にお土産屋と食堂が併設された施設があり、待望の「ブリカツ丼」を提供しているということでここで昼食をいただいていくことにした。

味付けが気になっていたが、醤油ベースの甘辛たれにくぐらせた…これは新潟名物タレカツ丼の亜種だ。

しかしブリのさっぱりと食感が、豚肉とは違ってまた良い。

デザートの冷凍柿も初の感覚ですごく美味しかった。

よく耳にする「おけさ柿」は佐渡のものだったのを知る。この旅は同じ新潟県でも知らなかったことをたくさん知ることができて楽しい。

 

 

初日に時間がなくパスした「岩首昇竜棚田」。

道中はSW-1でも切り返しが必要なくらいかなりの急カーブ&急勾配だらけだったので、初日に来ていたらてってれ氏のドラッグスターは登れなかったかもしれない…。

雲で霞んで境界線が見えづらかったが、高い場所から田圃と海を見下ろせるスポット。

稲刈り前の時期の風景を見ることができてよかった。

 

 

海沿いの道は本当に最高で。

この時は色々な感情を抱えて佐渡に来ていたので、1人で美しい海沿いの道を走るのは頭の中を空っぽにできて助かる。

 

 

初日に寄れなかった「万畳敷」にも来てみた。

少し雲が多くなってきてしまったが、ここも海が空を映す美しい風景が広がっている。

ここで見る夕日は格別…と下調べの際にたくさん情報を目にしていたので、次に佐渡に訪れた際にはここで日の入りを拝みたいものだ。

 

 

まだ少し時間に余裕があったので、初日に宿根木を歩いた際に気になっていたお店で一服していく。

抹茶氷にミルクを入れた抹茶氷カフェフロートに抹茶のパウンドケーキ。

店内も雰囲気のある良い喫茶。

 

 

満足した帰り道、この看板に心を奪われてしまう笑

 

 

本日3店目のカフェ「Cafe nano」で「佐渡牛乳と佐渡産もものかき氷」をいただいた。

この写真をアップした際「生肉ごはんかと思った」というリプを貰って笑ってしまった。

最近は旅の実況を上げていると、色んな方々から反応やコメントを頂けるようになった。

3年前にTwitterを始めたばかりのころはこうして人と絡んだり、ましてやお酒や旅までご一緒させていただくことになるとは思ってもいなかったな、と。

 

 

そんな旅の終わりの旅情を抱えつつ、帰りのフェリーに乗り込む。

 

 

私の帰りとともに青空も雲に覆われてゆく。

3日間、佐渡が私たちを歓迎してくれていたようにも感じる天気だった。

美しい風景をありがとう。

 

 

人がいる所で1人であまり眠ることはないのだが、流石に3日間バイクに乗りっぱなしなのと全日朝4時起きで活動していたのもあって眠りこけてしまった。

 

余談だが、この帰りのフェリーで「お客様の中にお医者様か看護師様はいらっしゃいませんでしょうか」というアナウンスが流れ、船内がざわついた。

そんなドラマのようなことが初のフェリー旅であるんだ…と不思議な感覚を感じながら、直江津港に到着し…家まで60kmほど走らせ無事帰宅。

 

 

そんなこんなで、初のフェリー旅であり初の離島を地元・新潟の佐渡で経験した3日間だった。

距離にしてみれば近いが金銭面では遠めの佐渡は…新しい発見ばかりですごく感動したし、また来たいと思った。

本当にフェリー代だけがネックだが、すごく良いところなので興味を惹かれた方は是非佐渡へ訪れていただきたい。

 

 

私はすでにまた佐渡へ行く予定を立てている。

次は、黄色い花が咲き乱れる時期に。

佐渡紀行 その2

その1からの続きになります。

 

ぐっすり派のてってれ氏を起こさぬよう4時前に起床し、東側の海へ日の出チャレンジ。

 

 

残念ながら日の出を拝むことはできなかったが、帰り道にいい空に出会うことができた。

初日の日中は猛暑だったが早朝は走ってて気持ちのいい温度。暑い日の朝駆けは最高。

しかし、佐渡の夜は光がなくて真暗闇だった。それがまた良かった。

 

 

宿に戻って朝食。

ご飯はセルフサービスで、こういうのでいいんだよ…という好きなタイプの朝食。

佐渡にスイカのイメージはまったくなかったが、甘くて美味しかった。

 

 

日が昇ってくると気温はグンと上がり2日目も猛暑の予感。

機体の熱は不安だが、この日も予報に反しての青空に心躍る。

 

 

初日は東側、とくれば2日目は西側へ。

パンフレット等でよく見かける「北沢浮遊選鉱場跡」に到着。

 

 

人工物が自然に覆われ一体化していくディストピア感がたまらない。

夜はライトアップもやっているそうでものすごく惹かれたが、カラフルに変色するLED照明と聞いて複雑な気持ち。

2日目の宿はここに比較的近い場所なので余裕があったら夜も来てみることにする。

 

 

選鉱場跡の近くにある「京町通り」へ。

海に向かって下っていく坂に広がるノスタルジックな街並みと、

 

 

振り向けば山に向かって登っていく風景がとても良かった。

 

 

この日の昼食は特に決めていなかったが、京町通りで近隣の飲食店を調べると坂を下った相川集落の中心街に珍しいメニューを提供している店があるとのことで、「パーラーつるや」へ。

 

 

「肉スパカレーライス」

もうこのメニューの響きに一瞬でやられた。

ご覧の通りの肉で、スパで、カレーでライス。

写真の普通盛りでもなかなかの盛りっぷりで1000円。

店内も広く、他にもメニューやバリエーションが豊富でまた訪れたい。

この旅は海鮮がほとんどになると想定していたので予期せぬジャンキーな食事に大満足。

 

 

千畳敷」にバイクをとめる。

昨日の東側の海も綺麗だったが、西もまた少し違った美しさがある。

 

 

夏のような空、気候の中で揺れる稲穂はなんだか不思議な感覚だった。

私はこういった、海に向かって続く道や田圃が大好物である。

そんな風景が佐渡にはたくさんある。

 

 

北にバイクを走らせ、「尖閣湾揚島遊園」へ。

 

 

この場所は正直なところどういう場所なのかも分からずに入園料を払って来てみたが、佐渡の中でもとびきり美しい「青」を見ることができて感動した。

 

 

ただただ美しい。

新潟に生まれて今日まで、佐渡を甘く見ていたことを深く反省した。

 

 

更に北上し、「大野亀」へ。

ここも知識として知ってはいたが、実際に来てみるとなかなかの迫力である。

 

 

「大野亀ロッジ」に入り休憩がてら店内を見回すと「トビシマカンゾウ」の写真があった。

私がずっと佐渡に行ってみたかった一番惹かれた場所…。

今年はこの花が咲き誇る時期に必ず再訪し、この目で絶景を見渡したい。

 

 

「二ツ亀」まで来たが、チェックインの時間や2日間バイクに乗り続けた疲労、そして帰りの急勾配の登り(主にこれ)を考えてここから眺めるだけで断念した笑

 

 

ここからまた相川まで戻り、キャンプをするてってれ氏と解散。

私は七浦の宿へ。まだまだ不慣れな中の長距離ツーリングだったので、一度佐渡を訪れたてってれ氏に先導していただいて感謝である。

 

 

七浦の宿へチェックイン。

この宿の部屋もまた、窓から最高の景色が広がっていた。

 

 

荷物を置き、一旦宿を出る。

眼の前には一面のそば畑。

これもここに来て知ったことだが、佐渡はそばも有名らしい。

 

 

今回のツーリングで、初めてインカムを導入した。

バイクを買った直後で金欠気味な中、結構いいお値段なので購入をものすごく悩んだが、思い切って買ってよかった。

その土地のことや目に見えたもの、何気ない会話をしながらバイクを走らせるのは、一人で走るのとまた違った楽しさがあった。

 

 

さて、2日目も予報に反してのここまでの青空。

島の西側。

とくれば…。

夕陽を、見に行こう。

 

 

その3へ続く。

佐渡紀行 その1

新潟県民ながら、生まれてこの方佐渡に行ったことがなかった。

 

というのも、「色々と気を使わないマイカーで旅をしたい」私が佐渡に行こうとした場合、自家用車をフェリーに乗せると片道1万円超…往復やら佐渡でのお宿を考えると移動費と宿泊費だけでもゆうに3~4万円を超え、(隣県のハイクラスお宿泊まれるじゃん!)とずっと敬遠していたのだ。

 

そんな気持ちが動いたのは、バイクを手に入れたことと、相互フォロワーのてってれ氏にお声がけをいただいたのがきっかけだった。

てってれ氏と初顔合わせの大洗キャンプの際、するすると予定が決まりそんなこんなで9月の頭に初の佐渡へ行くこととなった。

 

 

家から下道で3時間弱、新潟港に到着。

実はこれが初のフェリー旅になる。

 

 

2輪利用者は一番早く船内に入れるのが嬉しかった。

 

 

初のフェリー…自分が運転する以外の乗り物にめっぽう弱いので、乗り物酔いに不安だったが想像していた「船」とは別物だった。

トキのパッケージに惹かれ「佐渡牛乳」を購入したり。

 

 

船内をうろついてみたり。

道中、新潟市で朝ラーをキメてきてしまったのだが、船内でこういったものも食べられたようで失敗した。

佐渡の「ブリカツ丼」は今回の旅で何処かで食べたい憧れのグルメ…。

 

 

島に近づくに連れ、海の青が濃くなっていくのを感じた。

この週の初めの天気予報は3日間とも雨予報で悪く、出発前にはなんとか全日曇予報に変わったのだが、さらに急に好転したようで心も晴れやかだ。

 

 

佐渡に上陸し、初上陸の感動や写真を撮影する間もなく2人で昼食へ向かった笑

新潟市にある支店が有名な回転寿司「弁慶」の本店。

 

 

多少待ったものの、思ったより早く席につくことができた。

のどぐろ、南蛮えび、紅ズワイ軍艦といった新潟を代表するの海の幸を満喫。

 

 

上記の高級ネタが美味しいのはもちろんなのだが、私が弁慶で一目置いているのはこの佐渡産の「天然ぶり」である。

 

 

一般的にぶりの名産地といえば氷見が挙げられると思うが、佐渡も負けず劣らずの場所。

全国の色々な回転寿司屋に立ち寄っているつもりだが、このレベルのぶりが150円でいただけるのは佐渡だけなのではないだろうか。

 

 

海の幸を満喫し、両津港に戻ってから東の海沿いをツーリング。

海に面した田圃、つづくみち。

 

 

美しい海、景色。

潮のかおりと海風。

 

 

まちなみ。

 

両津港からR350は車の通りが多かったものの、この東の海沿いはほとんどと言っていいほど車とすれ違わなかった。

本当に人が住んでいるのかと不安になるほどに静かで。

そんな不思議な感覚のはじめての道を自分のバイクで走るのはたまらなかった。

 

 

小木港のあたりまで来ると観光客がちらほらと見えるようになってきた。

街歩きをしたいというてってれ氏と一度解散し、私はたらい舟を見学した。

興味は惹かれたが、海洋恐怖症なのと結構いいお値段なのもあって見るだけにしておいた笑

 

 

再び合流して矢島・経島へ。

陽の傾きや雲の関係で少し分かりづらいが、透明度の高い海水と岩礁、舟屋が織り成す景色は美しいの一言であった。

 

 

陽もかなり傾き始めたところで宿根木集落へ到着。

 

 

宿根木のまちなみは、まち歩き初心者の私でも感動するくらい見事な路地ばかりであった。

 

 

宿根木公会堂には可愛らしい門番がいらっしゃった。

もっとゆっくり宿根木を回ったり「万畳敷」の方まで走ってみたかったのだが、昼食の待ち時間や思った以上に道中良いスポットばかりで予定時間をオーバーしたためここでこの日の観光は終わりとし、宿へ。

 

 

今回、佐渡に来るにあたって一番の楽しみであった民宿「長浜荘」に到着。

 

 

「タイ」の部屋に投宿。

チェックイン時、宿の方が「〇〇さん、タイだっけ?イカだっけ?」「タイだよタイ」と話していたのがすごく良かった。

 

 

佐渡のタイの窓からは、美しい景色が広がる。

 

 

夕食の前に、どこかで夕陽を眺めたいと宿の近くにある「人面岩」まで少し走った。

冒頭の方にも書いたが3日間曇のつもりで雨具も用意して来たのでこんなに美しい夕陽を見ることができると思っていなかった。感無量。

 

 

待望の夕食。

以前Twitterで写真を見かけてからずっと来てみたかった長浜荘。

細かい説明は不要、ご覧の通りのラインナップ。

これで1泊2食付きで8,800円。

惹かれないわけがない。

 

 

直前で来れなくなってしまった方の分もあり3人前だが、舟盛りも豪華。

まずバイ貝や塩辛、もずくなどの小鉢の種類と量がおかしい。

焼き魚、フライ、鍋、蟹、寿司…。

出されたものは残せないという禁忌を勝手に背負っている私は、それを破ってしまうのではと恐怖した笑

 

 

デザートも普通に甘味が3つ出てきて笑ってしまった。

 

新潟県民ながら初めての佐渡、初日から美しい景色と海の幸に歓迎され、今まで避けていたのを後悔するようにすぐに好きになった。

 

いつものことながらこの日は3時頃起床し活動していたので、食事後に部屋に戻りてってれ氏と少し話をして泥のように眠りについた。

 

 

その2へ続く。

秋田県の話。

旅にのめり込み始めていた頃、関東、北陸、中部…と近隣の県をほぼ制覇する中、東北でそこだけぽっかりと空くように未訪問だった秋田県

正直なところ、東北で銀山温泉と肩を並べる雰囲気抜群の乳頭温泉郷「鶴の湯」くらいしか興味をそそられず、なかなか行く機会…行きたい理由がなかった。

 

2020年3月、新型コロナウィルスが広がり始め、世間では出歩くのが不謹慎とされ始める中、私は春分の日が絡まる3連休の旅先を探していた。

そんな中で、「近隣で一番感染者数が少ない県」という不謹慎な理由から秋田県へ行くことになった。

 

 

秋田ふるさと村」に寄り、「横手やきそば」を食べるところからスタート。

人気の施設、人気のお店のはずがどちらも閑散としていた。

 

 

田沢湖を通り、憧れの鶴の湯へ。

感染症が蔓延るご時世、山奥にも関わらず、賑わいを見せていた。

混雑に加え混浴というのもあり、私はここで引き返した笑

 

 

この近隣、突発な連休に宿泊できるのは乳頭温泉郷にある休暇村だけだったが、雪のちらつく白濁した温泉に、偶然ブロンド髪の海外の方が三度笠を被り入ってきたときにすごく風情を感じた。

いぶりがっこを始めとし、夕食の姫竹やきりたんぽのホイル焼き、朝食のせり汁等食事も大変美味しかった。

 

 

秋田の食、といえば自分がイメージするのはいぶりがっこときりたんぽだが、次点で思いついた比内地鶏

正直なところ、当時はサシの入っているようなブランド牛は高級感を感じるものの、豚肉と鶏肉のブランドは名前をとってつけただけのようなものと甘く考えていた。

「秋田比内や」の比内地鶏の親子丼。

比内地鶏…その強烈な弾力と脂の濃厚なうま味にすぐに考えを改めることになった。

 

 

個人的に刺さった、他の県では余り見ることがなかったパウチジュース。

りんごだけでもたくさん種類があり、安価でまた嵩張らないのが気に入って色々な種類を試し飲みした。

 

 

初めて行った寒風山はすばらしい眺望だったが、3月の寒風山はまさに「寒風」山だった笑

 

 

大館の本店で買った「花善」の「比内地鶏の鶏めし」。

通常のものより少し高価だが、付け合せも含め何度も食べたくなる、個人的にトップに君臨する駅弁。

 

 

大館に行った際、一気にその味の虜となった比内地鶏

そのスープを使ったラーメンはたいそう美味しいのでは…と秋田市内で探してみると、ちょうど朝の10時から開店しているお店があった。

「ひない軒」の「地鶏ラーメン」。

事前に下調べしておらず「秋田市内で」「地鶏のスープで」「朝ラーで」とたまたま条件にあった店が運命の出会いだった。

黄金色に輝く濃厚な地鶏のスープに溺れ、今では秋田に行く際には必ずといっていいほどこのお店に寄る。

 

そんなこんなで初の秋田旅は「比内地鶏」に心を掴まれっぱなしの3日間となった。

 

 

翌年、「水沢温泉郷」の「駒ヶ岳温泉」へ。

キャンセルか何かでたまたま土曜日の枠が空いていたらしく、すかさず予約し憧れの貸し切り露天を満喫した。

 

 

夕食では、八幡平ポークの陶板焼を始めとする地のものを使った料理に舌鼓をうつ。

 

 

「山の芋鍋」も大変美味で、最初からごはんが出ていたのにしめに蕎麦が出てきたのも驚いた笑

 

 

こちらの「駒ヶ岳温泉」は「鶴の湯」の姉妹館で、夕食後に鶴の湯までの送迎バスが出ており、日帰り客のいなくなった温泉をゆっくりと堪能できる。

 

 

朝ごはんも美味しくて印象的だった。

比内地鶏の卵かけごはんを始めとし、たくさんのごはんのお供が少しずつ並ぶ、「白米のための」朝食。好きだ。

 

貸切露天も2つある良い温泉に夜の鶴の湯まで行けて、素晴らしい食事がつき9000円。破格も破格である。

 

 

駒ヶ岳温泉の帰りに寄った稲庭うどんの有名店「佐藤養助」。

その喉越し…稲庭うどんもまた、比内地鶏のように最初と食べたあとの印象が覆った。

 

 

2021年のGW、感染拡大と悪天候により西側への遠征を諦めた私は、唯一晴れ予報だった男鹿半島へ向かった。

道中で通った大潟の菜の花ロード。

タイミングによっては両脇に桜も咲くとのこと。いつか黄色と桃色が飾るこの直線を走ってみたい。

 

 

今までの秋田旅は曇天ばかりだったので、初めての青空が見せる男鹿半島の美しさに息を呑んだ。

 

 

こんな機会はなかなかない、と男鹿半島に留まり「ゴジラ岩」越しの夕陽を拝むことができた。

 

 

夕陽を見たことで時間的に夕食は諦めていたが、コロナ禍というのもあってか人気店「本家あべや」に入ることができた。

比内地鶏は正直なところ高価だが、それだけの価値があるのは実食済みだ。

 

 

中でも「比内地鶏の水炊き」、最後に色々な出汁のでた濃厚なスープはたまらなかった。

 

 

別日、憧れていた温泉に行くため再度大館を訪れ「秋田比内や」に再訪。

親子丼をセットで頼むと、チョロギやしそ巻、とんぶり等の地元食材の小鉢がついていて嬉しかった。

 

 

憧れの温泉、玉川温泉

人里離れた山の中にあるこの場所は、空気や時間の流れの違いを感じる。

 

 

自炊部に宿泊し、大館で買ってきたおなじみのお弁当をいただく。

良い温泉と、世間から隔離されたようなこの最高の空間でいつか自炊をしながらゆっくりと湯治をしてみたい。

 

 

2021年の10月、また男鹿半島に訪れていた。

初めて訪れた男鹿水族館「GAO」。

シロクマがなにか訴えかけるような目でこちらを見ていた。

 

 

こちらも初めての「なまはげ館」。

たくさんのなまはげに囲まれた広い空間では、少し怖さを感じるようで、見守られているような神秘的な感覚もある。

 

 

このときの目的は、寒風山に揺れるすすきの群生であった。

「鬼の隠れ里」付近で美しい芒原を長め、「姫ヶ岳」に登り夕陽が沈むのを見届けたかったが雲と山に隠れてしまった。

 

 

予定にはなかったのだが、翌朝ある期待を胸に3時にホテルをチェックアウトし、再び寒風山へ訪れた。

 

 

時間とともに雲が流れる。朝日に照らされ穂が黄金に輝いた。

八郎潟を見下ろす眺望、そして「日本海側から見る朝日」がこんなにも美しいだなんて。

 

 

絶景に感動し、先の予定を忘れ男鹿半島を走った。

 

 

寒風山からの帰りにいただいた「たいあん弁当」の唐揚げ弁当。

蓋の締まらないこの盛りでワンコインとは恐れ入る。

近くに住んでいたら毎日のようにお世話になるだろう…。

 

 

2022年、梅雨を彩る青い花を見に再び男鹿半島へ訪れた。

 

 

青一色で揃えられた男鹿半島「雲昌寺」のあじさい。

 

 

好きな土地はいつも自分に素敵な景色を見せてくれる。

終日曇り予報の中、一瞬だけ青空が覗いた。

公式HPが謳う「極楽青土 Blue Heaven」とはまさにこのことであった。

 

 

限定のあじさいババヘラアイスを食べながら一度ホテルへ。

 

 

雲昌寺のあじさい、夜のライトアップ。

ダークなブルーライトに照らされ一気に雰囲気の変わる境内。

一日で2度美味しい男鹿半島梅雨のスポット。

(ただし入場料は2回分払っている)

 

 

紫陽花を見た帰りにずっと気になっていた「広栄堂」へ。

「生グソスタッフの募集中」の張り紙が目を引く。

生グレープフルーツソフト、略して生グソ。気にならないわけがない。

 

 

店頭の張り紙を見て(客側の略称だけでなく店公認なんだな)と「生グソひとつ」と注文すると、「はい、生グレープフルーツソフトひとつですね」と返ってくる。

久しぶりに顔が赤くなる体験をした。マスクがあってよかった笑

肝心の味の方だが、これがものすごく美味しい。

正直な所名前のインパクトで押しているのかと思っていたので嬉しい誤算だった。

 

 

にかほ市鳥海山から流れる「元滝伏流水」。

澄んだ水を横目に森林の中を歩くのはとても気持ちが良かった。

 

 

2022年の秋、雪が振り始めそうな頃…以前誓った「ここで自炊をする」という目的を果たしに私は再び玉川温泉へ訪れた。

 

 

キャンプブームが終わりかけた頃に火がついた私はちょうど外で自炊する道具を集めていた。

道中購入してきた鹿角グルメ「ホルモン幸楽」のホルモンと野菜を炒め、田沢湖ビールでいただく。

 

 

まだまだ夜は終わらない。

他のお客が電子レンジで簡単な調理をする中、少し恥ずかしさを覚えつつも台所を利用していた。

 

 

時期を迎える東北の味覚「せり」と比内地鶏の鍋をつっつきながら、雪の茅舎をいただいた。

 

 

翌朝、朝も早くから起きてまた料理場で音を立てていた。

 

 

土鍋であきたこまちを炊き、比内地鶏の親子丼とする。

正直な所、湯治客の食べる食事じゃないな…と心のなかで自嘲しながらもその弾力と脂の旨味に溺れた。

山奥の時間の流れが遅くなったような空間、極上の温泉と地物で作る料理…こういった生活が続けられたらな…と強く感じた旅であった。

 

 

この年も男鹿半島へすすきを見に来た。

昨年の寒風山での夕景は山に隠れてしまったため、「入道崎」に来てみたらまた美しい景色と出会うことが出来た。

 

 

翌朝も寒風山へ。

この日は雲ひとつない美しい空であった。

夜から朝へのグラデーションをバックに揺れるすすき。

この景色を見に来ることが出来てよかった。

 

 

揺れる穂が時間とともに輝きを変えてゆく。

この美しい景色と時間を、また、ここで。

 

 

2023年の梅雨の大雨で秋田市を中心に被害が広がり、今回紹介した店舗も何店か被害に合われているのを拝見して非常に心苦しい想いである。

一貫性がなく箇条書きのような日記となってしまったが、秋田の魅力が伝わればと思い今回この日記を書こうと思った。

私も少しでも復興に貢献できるよう、近いうちにまた秋田へ行こう。

夏は料理

画像は冬だが、田舎に住んでいるのもあって…。

所謂「ご近所さんからのおすそ分け」イベントがたくさん発生する。

 

 

ご覧の通り、帰ると玄関に野菜や果物が置いてあることも。

(なんとなくいつもくれるあの人かな…と察せるが差出人不明)

 

 

大量の茗荷。

薬味で少量使うことはあるが、こんな量をどうすれば…。

 

そんな感じで、夏は特に夏野菜をたくさんもらうことが多くなる。

きゅうり・トマト・なす・ピーマン…。

素材の味を活かす食べ方もいいが、何せ量が量なので飽きもくる。

そんな夏野菜を美味しくいただくべく、あくせく考えて定番となった夏の料理を記録する。

 

 

まずは茗荷。

薬味以外のレシピはないかと色々探したりしてたどり着いた2品。

ごま油と塩で和えただけの「ハム茗荷冷奴」、ごま油と醤油で和えた「茗荷ときゅうりのツナサラダ」。

どちらも簡単で美味しい。特にサラダの方はもりもりいける、大量消費にもってこいのレシピだ。

 

 

夏の定番、なす。

麻婆茄子や揚げ浸し等も美味しいが一番のお気に入りはこれ。

オイスターソースをベースにした味付けで豚バラと炒める。

オイスターの甘みとコク、豚バラの脂がなすと相まって絶品。

 

 

味噌やマヨでそのまま食べたり漬物にするが、特に大量にいただくきゅうり。

なくなった祖母がよく作ってくれた「鮭ときゅうりのちらし寿司」。

シンプルながらも美味しくて懐かしい味。

 

 

きゅうりは鶏むねと梅で和えるのも定番。

トマトとチーズと玉ねぎをマリネ風に、丸なすを味噌チーズ焼きに、ズッキーニをマジックソルトでソテーして夏野菜御膳。

料理をする中で、野菜中心…肉や魚を極力減らした上で美味しい御膳が作れたとき、いつもよりなんだか嬉しくなる。

 

 

いつぞやに知り、夏に作る定番となった宮崎の郷土料理、冷や汁

少し手間だが、味噌をしっかり炙ると香ばしさが出て格段に美味しくなる。

画像は小アジだが、面倒なときはセブンイレブンのチルド焼き魚を使用する。骨もないし本当に楽で便利。

 

 

冷たい味噌汁…?と最初は思ったが、食べてみると美味しくてびっくり。

大量に作って冷蔵庫に入れて、忙しい夏の朝にご飯にかけてさらさらっといただける便利さも相まって夏には外せない料理に。

 

 

あっさりなそうめんをガッツリいただく「ビビンそうめん」。

豚バラときゅうりにキムチやコチュジャンで味をつけて、そうめんに和えるだけ。

 

 

ピーマンを氷水に漬ける「パリパリピーマン」。

 

 

自家製のつくねを作って、パリパリピーマンで挟んで食べる。

孤独のグルメで知った食べ方なのだが、たまらなく美味しい。

つくねを作るのが面倒なときはよくファミマのつくね棒で代用する。味がしっかりついているのでピーマンによく合う。

 

 

トマトやミニトマトも定番の夏野菜。

こちらは得意料理のひとつ「ホタテとミニトマトの冷製パスタ」。

カニ缶と、その汁をそのままソースにした結構贅沢な一品。

自信を持って人に出せる料理だと思っているが、なかなか機会はない笑

 

 

新潟は「くろさき茶豆」を代表に、枝豆も美味しい。

大量にいただき、そのまま食べるのが飽きてきたら「ペペロン枝豆」。

行儀が悪いが皮までしゃぶりたくなる、ビールにより合った一品。

 

 

大葉も薬味としてしか考えてなかったが、リュウジ氏の「悪魔の壺大葉」を知ってからは美味しく大量消費できるようになった。

ご飯に、冷奴に…刻んで和風チャーハンに入れたりと便利なレシピ。

 

 

少し趣旨が逸れるが、夏のスタミナ源、うなぎ。

なかなか手が出しづらく、代替レシピがたくさんある。

ちくわとなすで…。

 

 

ご覧の通り、まるでうなぎ…。

ってこれ、モノホンのうなぎじゃない?下にちくわとなすの蒲焼あるけど…。

けっこう昔の写真なのでどういう意図で作ったか思い出せない笑

奥の小鉢が梅きゅうと、三つ葉チョレギサラダなのはわかる…。

 

 

なすの蒲焼といえば、群馬県太田市の「かわとみ」さんという店に「なすの蒲焼き重」という人気メニューがあるらしい。

まだ食べれていないのだが、見た目と口コミを見て作った感じだとすごく美味しい。

そのうち食べに行ってみたい。

味も見た目も、食べて盗むがモットー。

 

 

最近個人的にブームなのが青唐辛子。

辛いものはあまり得意ではないのだが、青唐辛子の爽やかな辛さは別物。

ごはんのお供を紹介するサイト「おかわりJAPAN」で紹介されていた「自家製 青唐味噌」のレシピを参考に毎年作るようになった青唐辛子味噌。

にんにくと爽やかな辛さでバテているときでも白米が加速する。

 

 

最後に昨年の夏に作った夏野菜よくばりセット。

 

 

料理番組やTwitterで紹介されていたレシピ、試してみたかったものを詰め込んだ一膳。

 

 

・きゅうりの豚バラ巻き

・一口しそバーグ、梅のせ

・ハム茗荷冷奴

・トマトと塩昆布のマリネ

・茄子のつくだに

・よだれ卵黄漬けTKG

・茄子とオクラの味噌汁

に、福島の桃を添えた「夏野菜御膳」。

今まで出てきた夏野菜をこれでもかと組み込み、バランスや色合いもなかなかハイレベルにまとまったのではないかという自身の一膳。

なお人に出す機会はない笑

 

そんなこんなで、せっかくいただいたものを楽しく美味しく消費する季節、夏。

今年は何を作ろうか。

私とバイク

私がバイクに乗るなんて思っても見なかった。

 

もともと年に2~3回出かけるか出かけないかの超がつくほどインドアだった私が毎週のように旅に出かけている事自体が不思議だが、当時のバイクのイメージと言えば

・うるさい、近所迷惑

・かっこつけている

なんていうド偏見もいいものだった。

しかしTwitterで旅アカウントを作ってみると、バイクで旅をしている方をたくさん見かける。繋がった皆さんが持っていた偏見が吹き飛ぶほど礼儀正しく、運転マナーを従事し、楽しそうにバイクで旅をしている。

が、それでもバイクは自分には縁がないものだと思っていた。

 

冬のある日、ネットでたまたま1枚のバイクの画像を見た。

SUZUKIのSW-1。

自分の中のバイクは黒くて、ゴツくて、かっこいいフォルム。

しかし丸くて、なんだかかわいさもある…そして外車のようなレトロ感、かっこよさも兼ね揃えたこのバイクは異彩を放っていた。

こんなバイクがあるんだ…!と次の瞬間には「SW-1 値段」とググっていた。

しかし調べているうちに「値段」「希少車」「修理の問題」「免許」の手間を考えると少し億劫になってしまい、そこで一度断念。

 

数日後、フォロワーさんとお酒を飲む機会があり、その方たちがバイク乗りなので話を出してみると、お店のことなど色々教えていただいた。

数日後、思い切って長岡の某お店に行って「あの、初心者で何もわからないんですがSW-1というバイクはありますか?」と聞いてみると店長さんが目の色を変えたように対応してくれた。

「初めてでこのバイクを選ぶとはやりますね…これ乗ってたら目立ちますよ~!」

別に目立ちたくて乗るわけではないのだが…w

希少車だが、現在山陰に1台だけ中古車があるとのこと。

ここまできたら、と思い切って即決。

まずは車体を確保して毎日眺めながらのんびり教習を受けよう、と思っていたのだが「初心者免許取得キャンペーン」を利用することで値引きされるかわりに、取得した免許を見せてからの購入という形になった。

 

 

数日後、山陰から新潟に配送が完了したと連絡が届く。

我慢できずにすぐに見に行った。

実物を眼の前にすると呼吸が荒くなる…これが恋…?

 

 

早速近くの免許センターで教習の段取り。

ヘルメット・グローブ・ブーツはコロナ禍から貸し出しをやめたらしく1週間以内に用意せよとのことで急遽用意。

車体のカラーに合わせてベージュにしようとしたのだが、なかなか良いものが見つからなくブラウンのものを。

 

 

雪国で普通免許を取る際、冬期の原付の教科は実際に乗ることがなく(雪で乗れないため)動画を見るだけで済まされる。

原付すら乗ったことない私は最初から少し躓いてしまい「少し教習延長すると思うのでそのつもりで」と言われたりもしながら…操作を覚えてからは本当に楽しく順調に教習は進み…。

 

 

二輪人気で希望通りの教習予定が組めなかったり、プレッシャーによわよわなので何度か検定に落ちるかもと覚悟もしていたが、1ヶ月ほどで無事に1発で卒検合格。

 

 

合格した翌日の金曜日、半休をもらい免許を書き換えに行った。

その日は台風の影響で大雨が予報されており、日曜日の晴れ予報の日に納車をする予定でお金を準備した。

一括でこんな金額の買い物をするのは初めてだった。

 

 

我慢できなすぎて免許を書き換えたその日に納車した。

予報通りの大雨、強風、初めての公道運転、夜間の運転…。

役満の状況の中、心は高揚しっぱなしだった。

3回くらい死にかけたけど。

もう二度と夜の雨の運転はしません。

 

 

家の車庫について、濡れた車体を拭きながら「今日から自分のバイクなんだ…」と確かな実感。

 

 

実は納車前から我慢できずに装備も買っており早速おめかし。

もうバイクについては我慢できなすぎた。

アンブートのサイドバッグ2つとリアボックス。

サイドバッグは1個づつ買って試しながらもう一つ買えばよかったのかもしれないが、もうなんというか絶対に合う自信があった。

 

 

容量のある1泊用のキャリアトランクもデザイン重視で買っちゃってたりして。

 

 

自作のステッカー貼っちゃったりして、もう浮かれっぱなし。

この日は2時間くらい車庫のバイクを眺めていた。

 

 

手が出ずにいたアクションカムも、バイクの値段に比べたら安い買い物よ、と値引きもされていたので思い切って買った。

オズモアクション3を買ったつもりが届いてみてよく見たら1だった。

道理で安かったわけだ。それくらい浮かれていた。

 

 

家の周りは、なんというかご覧の通りのド田舎で。

いままで車に乗っていたときには感じたこともなかったが、信号がなく、開けている道が周りにたくさんある環境はバイクをちょっと乗るには最高の環境なのではと実感。

バイクに跨るたびに、「いつでも好きなときに乗っていいんだ、自分のバイクだから」という高揚感。

 

 

仕事が終わってすぐに海に向かうとちょうど日が落ちる季節。

 

 

上越から柏崎、晴れた日は毎日乗った。

何度も通った道が、まるで新しい世界のようで。

 

 

新潟で一番好きな笹川流れ

往復すると400キロにもなるが、すんなりいけた。

車で旅をするときの高揚感、精神が肉体を凌駕する感じはバイクでもそのままのようだ。

 

 

志賀高原ルートからの草津温泉

横手山ドライブインでは初めてたくさんのバイクに囲まれて、改めて変わったバイクなんだなと実感した。

 

 

ミニトランクを両側に装備したフルアーマーSW-1。

まだ実戦投入はしていないけど、これで長旅がしてみたい。

 

 

先日、初めて泊まりでバイク旅に出た。

フォロワーさんとマスツーをしたのも初めてだが、「バイクで旅をする」という感覚がたまらなかった。

車では感じられない視界、匂い、音、空気…。

最近はこなれてきてしまっていた、旅を始めた頃の感覚が蘇る。

 

 

当初、「車もあるし、修理の問題も考えるとちょいちょい乗るくらいに控えておこう」なんて思っていたが、ご覧の通りもうずっと我慢できてない。

もっとこの子に乗って色んなところに行きたい。

どこまでも、ずっと…。

 

さあ、次はどこへ行こうかな。